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第2回 4条引当金の予算経理を行うタイミング

4条引当金の予算経理を行うタイミングについて、考えてみましょう(今回は少し難しい内容を扱います)。

 

検討素材として、総務省「地方公営企業会計基準見直しQ&A」を用います。

 

同QA3-8の設例を見ると、引当金の計上年度には予算経理をせず、執行年度(支出をする年度)に予算経理をすることになっています。

とすれば、何も問題にならず、議論の余地はないかのように思われます。

 

しかし、同QA8-3を見ると、引当金は補てん財源として使用しない方が適当である趣旨の記載があります。

引当金を補てん財源として使用しないためには、計上時に補てん財源から控除しておく必要があり、対外的にもこの方針を表明するためには、計上時に予算経理をしておいた方が厳格で望ましいと言えます。

 

ここで、QA3-8の設例紹介文を見ると、「具体的な経理方法については以下の方法が考えられる。」とあります。必ずしもこの方法を強制しているわけではなさそうな記載ですね。

(むしろ、QA8-3の考え方を優先すれば、予算経理のタイミングは計上時の方が良いかもしれない、と。)

 

また、4条は資金の変動が生じる時のみ予算経理を行う、という慣行もありますが、これは例えば現行民法の金銭消費貸借に関する契約成立の交付基準等に引っ張られたものとも解することができます。

仮にこの考え方を前提にすれば、改正民法では意思(処分証書)基準となるため、計上時での予算経理も可能になると考えられます。

 

以上が、4条引当金の予算経理を行うタイミングについての議論になります。

 

少し話が逸れますが、総務省の会計基準等に関する記載は、非常に多くのケースへの対応を想定しているため、所々の文章にどのような意図が込められているかを把握することがすごく難しい場合があります。

公営企業会計に携わっておられる皆様方におかれましては、安易に基準等の文面を鵜呑みにするのではなく、また安易に批判することもなく、そこに含まれている意図を深く解釈していくことが必要となります。

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