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第8回 予定開始貸借対照表の法適用初年度における修正

皆さま、こんにちは。

資本関係は難しいところが多かったので、今回は簡単な論点を検討します。

 

予定開始貸借対照表の誤りが、法適用初年度の補正予算に間に合う段階で発見された場合、それは①特別損失で修正するのでしょうか、②それとも資本金で修正するのでしょうか。

実務では、どちらの方法も見られるようですが、理論的に考えてみましょう。

 

未収入金の金額が過大計上されており、修正が必要な場合を考えましょう。

 

①の場合は、会計仕訳としては、「特別損失 ×× / 未収金 ××」になります。

論点としては、ア)特別損失の種類は何か、イ)特別損失で修正する理論的根拠、の2つです。

 

まず、ア)特別損失の種類は、法適用初年度で会計制度上の過年度が存在しないので、過年度修正損ではなく、その他特別損失を用いることになります。

イ)理論的根拠としては、いったん確定した開始貸借対照表の臨時・異常な理由による修正、ということになります。

 

②の場合は、会計仕訳としては、「資本金 ×× / 未収金 ××」になります。

論点としては、資本金で修正する理論的根拠(①イに対応した論点)になります。

 

②の会計仕訳を採用する理論的根拠は、当初の未収金の金額が誤っていたということは、誤った金額は不存在の取引を認識していたものであり、そもそもそのような取引は存在しないから、開始時の資本金額を修正しなければならない、ということになります。

 

①イと②の論拠を比較すると、②の資本金処理に分がありそうですね。

 

後は、補正予算に貸借対照表を載せない方針の企業もあり、そのような企業では、修正後の貸借対照表を載せるタイミングがないため、特別損失として補正する、といった実務を採られているところもあります。

理論的な修正をすべきかどうかは、重要性の原則に鑑みて、修正金額の大小にもよるところと考えられますが、以上のような理論的背景があることを把握して検討すると、説得力の増す説明が可能となります。

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