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第9回 損益分岐点分析

皆さま、こんにちは。

今回は「損益分岐点分析」について記載していきます。

 

今回用いる損益分岐点売上高の定義は、「損益計算書上の当年度純損益がゼロとなるために必要な売上高」としておきます。

(経営戦略策定のための損益分岐点の定義も、ひとまずはこれで十分です(逐条解説等参照))。

 

さて、問題です。

次の下水道事業の損益分岐点売上高はいくらでしょうか。

①使用料収入 500百万円

②変動費    50百万円

③固定費   1,100百万円

④基準内繰入 200百万円

 

まず、「(①-②)÷①」を計算して、「限界利益率」を算定します。(以下金額単位:百万円)

(①500-②50)÷①500=90%…(A)

 

この限界利益率で固定的費用を割ると、固定的費用が売上高に対する限界利益の額と同額になります。

これは、「売上高=変動費+固定費」の状況であり、損益分岐点売上高の金額となります。

 

問題文にある④基準内繰入額は、固定的な部分と変動的な部分がありますが、変動的な部分の割合が小さければ、固定費から差し引くことで十分な分析結果となります。

 

したがって、ここでは損益分岐点売上高の計算上の固定費を「③固定費-④基準内繰入」=③1,100-200=900…(B)、と計算します。

 

仕上げに、損益分岐点売上高を計算すると、

損益分岐点売上高=(B)÷(A)=900÷90%=1,000

という結果になります。

 

問題文中の使用料収入は500しかないのですが、損益分岐点売上高は1,000であり、500の不足が生じています。

 

なお、固定費の中には減価償却費という実際には必ずしも現金が不要な部分が含まれていますが、経営戦略の策定にあたっては損益均衡を目指すべきことが原則方針とされており、損益均衡のためには、使用料を急激に上げることは難しい場合も多いので、基準外繰入の増額という処置が必要になってきます。

ここで、恒常的な赤字企業のために基準外繰入で資金を留保させるのか、という論点が生じてくることになります。

 

さて、公営企業の論点検討も(コラム)を合わせると、当初の目標としていた10個を越えました。

これからも気になる論点を少しずつ記載していきますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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