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水道事業の貸倒引当金

皆さま、こんにちは。

久しぶりの更新となりました。

以前から何回か水道事業の貸倒引当金について記載してきましたが、もう少しだけ踏み込んでみます。
踏み込む、ということで、今回のコラムは少し内容が難しい、というか前提知識が必要かもしれません。

幾つかの文献を読むと、時効期限の到来した水道債権については自然債務へと性質が変わる、という自然債務説をどの範囲に適用するかで見解が分かれています。
(自然債務については公務員試験の時に出てきた女給さんの有名な判例がありますね。)

1自然債務説を全債権に適用する説(自然債務全部適用説)
2自然債務説を一部の債権にのみ限定して適用する説(自然債務一部適用説)

1は水道債権全体を通して不整合なく解釈することに適しています。
2は妥当な結論を導くための限定解釈になります。

1自然債務全部適用説を採用すると、債権管理条例の存在意義が非常に小さくなってしまうため、理論としてどうあるべきかはともかくとして、実務としては2を採用する、ということになると考えられます。

1と2のどちらの説を採用するかによって、貸倒引当金の計上方法も異なってきますが、債権管理条例の存在がある以上、1の説を採用した上で貸倒引当金を算定する、という手順が適切でしょう(私見)。

この先は、個別会計支援での本論点に関する知識共有が必要な時に、会計に影響する範囲で各支援先様にご説明させていただければと思います。

会計は経済的取引の単なる表現手段であって、その根本にある取引内容の理解こそが経営に役立つものとなります。
このようなやり方が載っているから、このようなやり方を指導されたから、という理由で機械的に会計処理してしまうのではなく、なぜそうなるのかをしっかりと考えて納得した上で対応をしてください。

本コラムを作成するにあたっては、近畿地方及び中国地方の自治体職員様との見解の議論が有用であり、お二方には改めてお礼申し上げます。

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