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企業債の未収金計上は認められないのか

皆さま、こんにちは。

いかがお過ごしでしょうか。

 

今回は、少し古い議論になるのですが、標題の件について疑問の提示をしたいと思います。
(以前、このコラムで未収企業債は原則計上できないが若干検討の余地があると記載しましたが、それをもう少しだけ詳しく書きます。)

 

その昔、借入金は未収計上できませんよ、と会計の学校等で習いました。
(その時はそれでよかったのですが。)

 

経理の手引き<2>421頁にも、「企業債収入の取扱いについては、起債についての総務大臣又は都道府県知事の許可又は同意があっただけでは収入決算することはできないものであり、企業債を実際に借り入れた時に収入として決算するものである。」とあります。

 

「総務大臣又は都道府県知事の許可又は同意」の法的性質について解釈をしなければなりませんが、改正民法を考慮すると少し疑問が出てきます。

 

会計は、それ自体で意味があるようなものではなく、経済事実(主に法的債権債務と資金回収計画関係)を表現するための単なる手段です。

 

すると、借入金についても、会計は法的債権債務関係を忠実に表現しなければならないため、上記記述に疑問が出てくるわけです。

 

その原因に、昨年の民法改正があります。

 

特定物ドグマと瑕疵担保責任から契約不適合への古典的な議論の整理が目立ってしまいがちですが、2020年4月施行の改正民法は、上記のような点でも地方公営企業の会計にも大きな影響を及ぼしています。
(瑕疵担保責任等については法定責任説と契約責任説のそれぞれの立場からの考え方を公務員試験で学習したことを覚えていらっしゃる方や思い出した方も多いと思います。)

 

改正内容にはいくつか検討しなければならないことがありますので、民法改正の内容に全部当たるのは少し難しいかもしれませんが、一度整理をしておくことが望まれます。

 

今回のテーマは公的見解としての結論は明らかではありませんが少し古い議論です。

 

しかし、このような内容が相談できない経理支援を受けている、ということでお悩みのご相談があり、自治体ご担当者様のお役に立てればと記載させていただきました。

(私も法律に詳しいわけではありませんが、「会計的に」「会計慣行で」等という大雑把で具体的な根拠に乏しい理由に立脚すべきでないことくらいは分かります。)

 

時々ご相談いただく事例であり、判断・結論に至る検討過程を理論的に説明できるようにしておく必要がありますので、熟考をしてみてください。

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